
観光局(APT)はこれをやむを得ない決断だとしており、近年の気象条件がいかに過酷であったかを隠していません。高い気温がサマースキーに不可欠な資源を氷河から奪い去ってしまったため、方針の転換を迫られたのです。今後は5月5日にリフトの営業を終了し、10月初旬に営業を再開するスケジュールとなります。
マルモラーダ(Marmolada)とプレゼーナ(Presena)氷河に続き、ついにAlto Adigeのこの氷河も気候変動の前に屈することを余儀なくされました。(現在消滅の危機にある)「ドロミテの女王」マルモラーダと同様、ここでも雪と氷が失われつつあり、もはやサマースキーは維持できない贅沢となってしまったため、おそらく二度と戻らないであろうひとつの時代に幕を下ろすことになりました。
サマースキーだけでなく、夏の最高の拠点のひとつをここに置いていたスノーボード界も大きな打撃を受けることになります。豊富な雪量を背景に、ここにはヨーロッパ中から大勢のトップライダーが集まるイタリア屈指のスノーパーク、ジェントルメンライダーズ・ナイトロ・パーク(Gentlemenriders Nitro Park)が誕生していたからです。
戦略的な決断?冬シーズンへの集中投資
また、この思い切った決断の背景には戦略的な判断もあるようです。サマースキーを行わないことで氷河を休ませ、秋の初め、具体的には10月から万全の状態でウィンターシーズンをスタートさせることができます。
一見すると当たり前のことのように思えるかもしれませんが、高標高の多くのスキーエリアではサマースキーが消滅しただけでなく、秋のリフト営業開始時期も昔に比べて年々遅くなっているという現実を忘れてはなりません。
イタリアに残るサマースキー最後の砦、ステルヴィオ
セナーレスでのサマースキー廃止の決定は、サマースキーの是非をめぐる議論を改めて呼び起こすことになるでしょう。原因が人間の活動であれ自然のサイクルであれ、アルプスの氷河は消滅しつつあり、2013年の夏にイタリアからアクセスしてサマースキーを楽しめるリゾートはチェルヴィニア(Cervinia)とステルヴィオ(Stelvio)のわずか2か所のみとなります。しかもチェルヴィニアは実際にはスイス領内にあるプラトー・ローザ(Plateau Rosà)氷河へのアクセス拠点であるため、純粋にイタリア国内に残る最後の砦は、Trentinoとロンバルディア州の境にあるステルヴィオ氷河ただひとつとなります。
ヴァル・セナーレスにおけるサマースキーの終焉は、スキーの歴史にひとつの大きな節目を刻む出来事です。皆様のご意見をぜひお聞かせください…


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